明治国際医療大学附属鍼灸センター便り  2003年2月1日

 

 鍼灸臨床の現場より  第20号


     

 

     

 

   

  

   

 

  

   

   

 

 

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舌でわかる今日の体調

      和辻 直

1.舌診
について 
 
東洋医学の診察法には「舌をみる診察法」があります。舌をみることで心身の異常を察知することができます。 例えば、舌をみることで、身体が冷えやすいタイプか、ほてりやすいタイプか、血のめぐりがよいのか、胃腸の調子がよいのか、など色々なことがわかります。 舌をみることは決して難しいことではありません。朝晩、歯を磨く時に舌を鏡に写してみてみましょう。身体の異常を事前に察知できるかもしれません。

2.誰でもわかる舌の異常 
 
健康な時の舌は、舌の色は血色の良いピンク色を示し、舌の表面にある苔も薄く、白い苔が生えています。また、舌の形や舌の動きに異常がありません。
 【舌に歯のあとがつく】 舌の横に歯のあと(歯形)がついている場合は、「疲労感がある」や「体がだるい」、「体が冷えやすい」と訴える方に多く見られます。これらの症状が強いと歯形もはっきりと認めるようになります。
 【舌の苔が厚くなる】 舌の苔が厚くなる要因は多くありますが、その中でも胃や腸の異常がある方や食事内容に偏りある方(*)に多くみられます。*食事内容に偏りある方:味が濃いものや辛いものなど刺激物を好む方、やわらかい食べ物しか食べない方、お酒を多く飲む方に舌の苔が厚い方が多いようです。
 


 
舌の横に歯形がある例


  
 


胃腸の症状があった時


胃腸の症状がなくなった時


3.舌所見と体調との関連性を調べる実態調査 
 明治国際医療大学附属鍼灸センターの来院患者256名に舌所見と体調の調査を行った結果、歯形を認める患者さんは半数にみられ、歯形がある方は歯形がない方に比べて「疲労感がある」や「体がだるい」と訴える人が多く認められることが判っています。