3.月経痛に対する鍼灸治療
鍼灸医学では、月経を周期的に起こる気血の動きとして捉え、気血の流れの滞りにより月経痛が起こるとされています。気血の流れが滞ると、月経痛だけでなく、肩こりや手足の冷え、倦怠感なども起こります。これら種々の症状も含めて全身的に鍼灸治療を行うことが、月経痛の治療には必要です。 患者Aさん、29歳の既婚女性。海外から帰国した後より強い月経痛が出現し、婦人科にて鎮痛薬の治療を受けましたが、それでも症状が強いために心療内科でのカウンセリング治療を併用したこともありました。月経痛の他に、肩こりや頭痛、不眠、嘔吐、下痢・便秘などの様々な症状もありました。鍼灸治療を始めた頃より、頭痛や肩こりが軽減し、全身的な体調が改善しました(グラフ;症状点数)。月経痛も月を追うごとに軽減し、半年後には鎮痛剤を使わなくても我慢できる程度の痛みまで改善しました(グラフ;痛みスコア)。
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