博士課程(通学制)
目的
本研究科博士後期課程は、鍼灸医学分野について、研究者として自立して研究活動を行い、またはその他の専門的な業務に従事するに必要な能力およびその基礎となる豊かな学識を養うことを目的とします。
修業年限
標準修業年限は3年です。
専攻分野・研究内容
専攻分野は、伝統鍼灸学、鍼灸基礎医学、鍼灸臨床医学の3つです。
伝統鍼灸学分野
医学古典や東洋医学の理論、経絡経穴学に関する研究、四診法に関する研究、伝統鍼灸学の臨床などに関する教育、研究を行う分野です。東洋医学基礎、伝統鍼灸学などに関する特論(講義)、演習、特別研究を行い、東洋医学の基礎分野の科学化および臨床に関する科学的根拠を追求します。
鍼灸基礎医学分野
鍼灸医学の基礎を教育、研究する研究分野です。形態学、機能学、免疫・生化学、薬理学などに関する特論(講義)、演習、特別研究を行い、鍼灸刺激の生体反応とその作用機序などを追求します。
鍼灸臨床医学分野
疾患や症候に対する鍼灸治療の臨床効果とその科学的根拠、予防医学・健康維持増進に関する鍼灸治療の効果とその科学的根拠などに関する教育、研究を行う分野です。現代医学、予防医学、伝統鍼灸学、臨床鍼灸学、健康鍼灸学、スポーツ鍼灸学、加齢鍼灸学などに関する特論(講義)、演習、特別研究を行い、鍼灸治療の科学的根拠あるいは臨床効果の作用機序を追求します。
履修方法
1.研究分野の選択の仕方
はり師・きゅう師の免許を有する者は、すべての専攻分野の選択が可能です。なお、はり師・きゅう師の免許を有しない者は、取得している免許、学位等に応じた専攻分野の選択を可能とします。
2.単位の修得の仕方
- 特論2単位、演習2単位、特別研究8単位は必修です。
- 合計12単位を修得しなければなりません。
修了要件および授与される学位等
1.修了要件
博士後期課程の修了要件は、在学年数3年以上、授業科目の取得単位数12単位以上とし、かつ必要な研究指導を受けた上、博士論文の審査および最終試験に合格することとします。
2.学位
上記の要件を満たした者に対し博士(鍼灸学)の学位を授与します。
3.資格
本研究科を修了した者は、はり師・きゅう師の学校(養成施設)における専門基礎分野および専門分野に関する科目の教員資格が認められています。ただし、教授できる授業科目については、原則として専攻した分野に関連する領域となります。
特別研究テーマ
分野 | 研究指導 ユニット |
特別研究テーマ |
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伝統鍼灸学 | 鍼灸医学系 | (1)伝統理論に基づく鍼灸学の診察・治療の実証的研究 (2)経絡(経筋)・経穴に関する実証的(臨床的)研究 (3)伝統理論に基づく養生の実証的(臨床的)研究 |
鍼灸基礎医学 | 現代医学系 | 解剖学 (1)鍼灸刺激による皮膚組織の形態学的変化の研究 (2)皮膚感覚受容器の機能学的・形態学的研究 |
生理学 (1)鍼灸刺激の内因性鎮痛機序に対する作用の神経生理学的、行動学的解析 (2)鍼灸刺激の生体調節系に対する作用の神経生理学的、行動学的解析 (3)鍼灸刺激のポリモーダル受容器仮説の実験的検証 (4)鍼の特異的効果の実験的検証 |
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免疫・微生物 (1)胸腺とT細胞機能への鍼灸の効果 (2)鍼灸によって誘発される因子を介する免疫系調節機構 |
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鍼灸医学系 | (1)鍼灸刺激の作用機序、特に鎮痛効果に関する基礎研究 (2)鍼灸刺激の特性と治療効果に関する基礎研究 (3)鍼灸の安全性に関する研究 |
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鍼灸臨床医学 | 現代医学系 | 内科学 (1)慢性閉塞性肺疾患に対する鍼灸治療の効果と治効機序について (2)気管支喘息に対する鍼灸治療の効果と治効機序について (3)パーキンソン病とパーキンソン症候群に対する鍼灸治療の臨床的効果 |
外科学 (1)外科系疾患の臨床的研究 |
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整形外科学 (1)関節リウマチに対する鍼灸治療の研究 |
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鍼灸医学系 | 臨床医学系 (1)痛みの病態や鍼灸の治効機序に関する基礎的・臨床的研究 (2)痛みの予防(養生・セルフケア)に関する基礎的・臨床的研究 (3)身体的・心理的ストレス誘発性の生理的変化に対する鍼灸の作用と機序 (4)トリガーポイント(筋筋膜疼痛症候群)に関する基礎的・臨床的研究 (5)月経痛および月経不順に対する鍼灸刺激の効果と機序 (6)更年期障害の症状および生理的変化に対する鍼灸刺激の効果と機序 (7)鍼灸刺激の神経機能に及ぼす影響について (8)心の病(メンタルヘルス)に対する鍼灸刺激の効果とその機序に関する基礎的・臨床的研究 (9)緩和医療における鍼灸刺激の効果とその機序に関する基礎的・臨床的研究究 |
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健康予防医学系 (1)各疾患に対する鍼灸刺激(治療)の予防的効果に関する基礎的・臨床的研究 (2)スポーツ傷害に対する基礎的・臨床的研究 (3)美容に関する基礎的・臨床的研究 (4)不眠・疲労に関する基礎的・臨床的研究 (5)高齢者に特徴的な疾患・病態に対する鍼灸治療の効果に関する研究 |
※特別研究テーマについては、変更となる場合があります。