修士課程(通学制)
鍼灸学専攻
鍼灸をはじめ統合医療の効果や機序を解明し、
何故効くのかという社会の疑問に答える!
修業年限
標準修業年限は2年です。
専攻分野・研究内容
専攻分野は、伝統鍼灸学、鍼灸基礎医学、鍼灸臨床医学、健康予防鍼灸学 の4つに区分します。
伝統鍼灸学分野
医学古典や東洋医学の理論、経絡経穴学、四診法、伝統鍼灸学の治療法などに関する専門的な知識を学修するとともにそれらに関する研究を行う分野です。東洋医学の基礎、伝統鍼灸学などに関する特論(講義)、演習、研究法を学修し、特別研究において上記の研究課題を追求します。
鍼灸基礎医学分野
形態学、機能学、免疫学、薬理学に関する専門的な知識を学修するとともに鍼灸刺激の生体反応とその機序解明に関わる研究を行う分野です。形態学、機能学、免疫・生化学、薬理学、基礎鍼灸学(鍼灸理論や鍼灸技術)の特論(講義)、演習、研究法を学修し、特別研究において鍼灸刺激の生体反応およびそれらの作用機序などを追求します。
鍼灸臨床医学分野
鍼灸臨床と深く関わる疾患や症候に関する専門的な知識を学修するとともにそれらに対する鍼灸治療の臨床効果とその機序解明に関する研究を行う分野です。内科学、整形外科学、外科学、脳神経外科学、麻酔科学、泌尿器科学、内科系臨床鍼灸学、整形外科系臨床鍼灸学、外科系臨床鍼灸学の特論(講義)、演習、研究法を学修し、特別研究において上記の研究課題を追求します。
健康予防鍼灸学分野
スポーツ鍼灸、予防・未病医学、美容鍼灸、産業鍼灸・高齢鍼灸などの鍼灸医学の応用領域に関する専門的な知識を学修するとともにそれらの領域における鍼灸の有効性に関する研究を行う分野です。健康鍼灸学、スポーツ鍼灸学、加齢鍼灸学の特論(講義)、演習、研究法を学修し、特別研究においては上記の研究課題を追求します。
学位・資格
修士(鍼灸学)の学位を授与します。本研究科を修了した者は、はり師・きゅう師の学校(養成施設)における専門基礎分野および専門分野に関する科目の教員資格が認められています。ただし、教授できる授業科目については、原則として専攻した分野に関連する領域となります。
TA制度
本大学院を修了した者には、はり師・きゅう師の学校(養成施設)における専門基礎分野および専門分野に関する科目の教員資格が与えられます。ただし、教授できる授業科目については、原則として専攻した分野に関連する領域となります。
TA制度は、大学院生にとっては教育実習の場であり、教育者としての資質を涵養(かんよう)するうえでとても良い制度です。なお、TAには1コマ3千円のTA料が支給されます。
教員資格を取得するには教員養成課程修了の道もありますが、本大学院ではこのチューター制により徹底した実習教育が実践できます。下準備は大変ですが、「教員には何が必要か」「分かりやすい教え方は」など、教員になるための絶好の修練場と言えます。
この写真は、経絡経穴学実習において大学院生が取穴実技の模範を示しているところです。指導教員のもと取穴方法を具体的に教示します。ティーチング アシスタント(TA)は年齢が近いぶん親近感があり、丁寧な指導をしてくれるということで好評です。
特別研究テーマ・修了生研究報告テーマ
特別研究テーマ
分野 | 研究指導 ユニット |
特別研究テーマ |
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伝統鍼灸学 | 鍼灸医学系 | (1)東洋医学の基礎理論、診察・治療、養生に関する研究 (2)経絡(経筋)・経穴に関する基礎的、臨床的研究 (3)日本の伝統鍼灸に関する調査研究 |
鍼灸基礎医学 | 現代医学系 | 解剖学 (1)鍼灸刺激による皮膚組織の形態学的変化の研究 (2)皮膚感覚受容器の機能形態学的研究 (3)皮膚感覚と運動感覚の連関理解のための機能形態学的研究 |
生理学 (1)鍼灸刺激による機能的変化、特に循環、呼吸、代謝などの植物性機能の変化に関する研究 (2)運動誘発性酸化ストレスに対する基礎研究 |
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免疫・微生物 (1)胸腺の機能・T細胞分化と鍼灸の効果 (2)鍼灸により誘発される分子による免疫系細胞の活性調節 (3)鍼灸による生体防御系の調節 |
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鍼灸医学系 | フィジカル ・治効機序に関する基礎的研究 ブレインメンタル ・メンタルと脳機能に関する基礎的研究 ソーシャル ・社会要因に関する基礎的研究(アンケート調査や教育に関する分野) |
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鍼灸臨床医学 | 現代医学系 | 内科学 (1)呼吸器疾患(気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、特発性間質性肺炎)に対する鍼灸治療の臨床効果 (2)パーキンソン病に対する鍼灸治療の臨床的効果 |
外科学 (1)外科系疾患の臨床的研究 |
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整形外科学 (1)運動器系の臨床的研究 |
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鍼灸医学系 | フィジカル ・各疾患(運動器系・内科系・外科系など)に関する基礎的・臨床的研究 ブレインメンタル ・メンタルヘルス(うつやストレス疾患など)に関する基礎的・臨床的研究 ソーシャル ・社会的要因が関連する疾患(慢性疾患・緩和医療など)に関する基礎的・臨床的研究 |
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健康予防鍼灸学 | 鍼灸医学系 | フィジカル ・運動機能(スポーツやコンディショニング、ロコモティブシンドロームなど)に関する予防的研究(基礎・臨床) ブレインメンタル ・脳機能(疲労・不眠・美容など)に関する予防的研究(基礎・臨床) ソーシャル ・社会的要因が関連する疾患に関する予防的研究 |
※特別研究テーマについては、変更となる場合があります。
修了生研究報告テーマ
◆2021年度修了生 |
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健常成人女性の月経痛に対する温灸の有効性の検討 |
スポーツ選手のコンディショニングに対する 鍼灸治療の探索的検討 |
◆2020年度修了生 |
Temporal summationと鎮痛の関係 |
鍼通電効果を予測する因子についてDNICを用いた検討 |
円皮鍼の遠隔刺激が筋疲労に及ぼす影響~大都穴を用いて~ |
鍼通電刺激が骨膜の痛覚閾値に及ぼす影響―骨膜の脊髄分節性の神経支配を考慮した検討― |
鍼通電時間による皮膚と筋肉の鎮痛効果の違い |
◆2019年度修了生 |
ミックス周波数TENSによる痛覚閾値の変化の検討 |
四肢への鍼通電における刺激部位数の違いが鎮痛効果に及ぼす影響 |
東洋医学概論の自主学習形態と「なやみ」に関する調査 |
肩こり症状に対する円皮鍼貼付の臨床効果に関する検討―ランダム化比較試験― |
根性坐骨神経症状に対する傍神経刺鍼の効果―ランダム化比較試験― |
顔面部鍼刺激が顔面部皮膚表面形態に与える影響についての検討 |